素晴らしい

この作品は、痴呆症をいち早く扱った文学作品です。

高齢者介護に奮闘する家族の姿は現代にも十分通じるものがあり、介護医療の難しさは不変であることを思い知らされる作品です。

この作品が出版された当時は痴呆や高齢者介護問題に触れられ作品はなかったのではないでしょうか?作者がこの問題にいち早くスポットを当て世に放った事は素晴らしいと感じました。

介護福祉士過去問にも出ていました。


過去問に出ていて、当時話題になった本らしく興味がわき購入しました。

久々に読みごたえのある素晴らしい小説にであったと思いました。

多少言葉の古さはありましたが、本当に昭和の本なのか…と。

逆に昔も今も介護の大変さは変わらず、結局旦那は奥さんに任せっきりなんだなと。

六十代の方にも貸したら懐かしいと喜んでいました。

更に高齢者を敬う気持ちになれました。

自宅介護は大変
政策で療養病床が激減し、自宅介護に移行する方針だが、この本を読んで、介護する人の負担がどれだけ重いものなのか。

よく理解できる。

自宅介護するとは、家族の誰かが、自分の人生を犠牲にして、全体力、全神経を注ぐということである。

人間誰もが幸せになる権利がある。

もっと国が高齢者を大切にし、介護に希望が持てる世の中になることを切に願う。

恍惚の人 (新潮文庫)有吉 佐和子


バーバリー
ジルスチュアート
posted by ダディ at 16:20 | 読書

マサイマラの丘にロッジを建てる!!!

表紙のアフリカの大地の写真に惹かれてこの本を手に取りました。

1人の元編集者がコネもないもないケニアで、多くの人にこの自然を楽しんでもらいたいという思いをいだいてロッジの建設に着手する。

読み進んでいくうちにロッジの名前が以前旅行のパンフレットで見たロッジの名前と同じことに気がつき、偶然かな、と思っていましたが、実際にそのロッジだということがわかり、ますます興味深く読みました。

実世界にリンクするサファリロマン
雑誌ソトコトさんの誌上で紹介されているのをきっかけに上下巻を読みました。

会社に行く電車の中で気持はアフリカに飛びました。

夢を追う主人公の姿は気持ちのいいものです。

父親にも勧めました。

w本の中にでてくる文章そのままのムパタの絵やホテルは実在していてソトコトさんのサイトで拝見してすばらしくて感動しました。

アフリカの王 上 講談社文庫 い 63-13伊集院 静


ブラウス
チーク
posted by ダディ at 16:06 | 日記

不思議と、ますます井口達也を知りたくなる

品川ヒロシの小説『ドロップ』を読んだのがきっかけ。

井口達也がブログ書いてるって聞いて早速ブログの小説を読んでみた。

ちょっと、びっくり。

なんか、うまいんだもの。

こう、人物の描き方が。

人物のちょっとした仕草を、ひとことでガツンと描いてる。

そいつがどうゆうやつなのかすごくわかるし。

うなづける。

これは、久々にヤバイもん読んじゃったというか、井口達也って、ただの不良じゃないなって。

なんか、人間目利き。





みたいな。

これは、どうしても読んじゃうな。





と。

で、小説買ってしまった。

井口達也の全部がわかるというか、読んでると自分が井口達也になっちゃう。

女の私も、なんか井口達也になっちゃうから不思議。

井口達也に引き込まれて、分厚い本、気がついたら、漫画読むみたいにどんどん読み進んでた。

ちなみに、井口達也の周りのやつらも結構すごいやつばかりで。

ホント飽きない。

最近は、小説読むのも億劫になってきてたんだけど、『チキン』は違う。

漫画読むみたいに、しゃぶりつきながら読める。

それも、かなり濃厚。

処女小説だよね? 一般人なんだよね? で、これ、書いちゃうなんて、すげえ。

だって、かなり面白いから。

本読み終わったら、なんか続き読みたいなと思ってしまい、つい、小説の『ドロップ』読見返して。

それでも、読み足りないから、井口達也本人のブログ、毎日チェック。

すっかり、井口達也にはまっています。

続き読みてぇ。

最高です
一気読みしました! 共感し、感動しました。

買って良かった、読んで良かったと思います。

今一番オススメしたい本です!!新たな感性を刺激してみませんか?
映画『ドロップ』で水嶋ヒロが演じた井口達也という人物。

実在しています。

この本は、その井口達也の『ドロップ』前の人生の話です。

不良って何なんでしょう。

井口達也は、人間としての魅力に溢れています。

不良じゃなかった人、文芸作品が好きな方、『ドロップ』を知らない方にも、是非お勧めです。

飾らない言葉達が、あなたの隠れた感性を刺激しますよ。

魂を揺さぶられます。

百聞は一読に如かずです。

チキン井口 達也

美白
ドクターシーラボ
posted by ダディ at 16:00 | 日記

感動しましたケニア旅行を決めた

感動しました
ケニア旅行を決めた時、絶対にマサイマラの動物保護区に行って見たいと思っていました。

そのオロロの丘にホテルを創るという前代未聞の事業を成し遂げた実在の人物を題材にしたこの小説を一気に読んで、心はすでにアフリカの大地に飛んでいました。

読んだ人の心に爽やかな風が吹くこと間違いなしです。

アフリカの王 下 講談社文庫 い 63-14伊集院 静

着こなしいろいろチュニックの通販
posted by ダディ at 15:57 | 読書

タイトルが一番面白い荻原氏の

タイトルが一番面白い
荻原氏の広告会社での経験を生かした面白い本です。

ただし、タイトルが面白い分、どのようなドタバタ劇が繰り広げられるのだろうかとワクワクして読んだだけに、思ったよりもコンパクトに纏まっているなというのが第一印象でした。

そのため残念ながら星は4つとさせていただきました。

ユニバーサルの続きがよみたい!
おろろ畑に続く、ユニバーサル広告社もの第2弾。

相変わらず広告のお仕事の妙味をさりげなく散らしながら、いい感じにホラストーリーが進むのだが(もちろん、そのホラの完成度が高いのである)今回は、泣かされたなぁ、まいった。

娘早苗とのわけあり、元妻幸子までわけありになって、元妻の現夫カビゴンがなかなかいいやつで、っていうくだりにかまされるクライマックス!酸欠の幻覚の中で早苗に呼びかけ続ける杉山の独白がいいそして、「グッバイ、とーちゃん!おおおおお!」で、きたー!泣けました。

私も口の悪い一人娘がおりまして。

なんか、わかりますねぇ。

とーちゃんももう少し走ってみるよ、杉山に負けずに。

後半アルバイト猪熊の意味ありげな行動があり明らかに複線張っているのだが、それは次の本のお楽しみか?だからキニナルのである今日はもうとにかく癒して癒して!爽やか上等!の、本。


疲れたときにイイ。

荻原浩の作品は、その表現とか例えとかが秀逸で好き。

この話でも、娘の(いや、元・娘)の発言とかそれをあとでうまくいかしているところが本当にうまい!と、思う。

なんかもう、やるしかないよね、っていう仕事のシーンも、うまくいかない元・妻とのやりとりも、最終的にはハッピーエンドじゃないんだけれど、これでよかった、って、拍手したくなる。

苦いんだけど爽やか。

きついけど、前に向かってなんとか進める。

誰かに優しくしたくなる、そんなキモチにさせられます。

なかよし小鳩組 (集英社文庫)荻原 浩

カルティエ
クロエ
posted by ダディ at 17:38 | 読書

美人×美人ロッセリーニ家次男が

美人×美人
ロッセリーニ家次男がやっと登場します。

経営の傾いたホテルの建て直しのお話。

甘美な美男(次男)エドゥアールがとても優しく書かれていて、長男レオナルドとこうもちがうかっ!と思います。

孔雀を思わせる優美な甘い男です。

最初から最後まで、二人のすれ違いな気持ちが書いてあり、ラストはハッピーエンドですが読み終えて、うーん…甘かった。

甘口でした。

本当にホテリアー・・・
ほかの人も書いていたけれど、私も読んでて「ホテリアー」を色濃く思い出しました。

ペ・ヨンジュンをはじめてかっこいいかもしれん・・とうなったのはホテリアーをみて・・。

いや・・今はペ・ヨンジュンではない!! この作品は、エロだけではなく、ホテリアーっぽいホテルを舞台にした従業員の奮闘も書かれてるので、きゅん!ってした気持ちや、ほぅ・・ってハートをちりばめたような溜息や吐息が欲しい人にはもの足りないかも??でも、先が気になる感じで読み進めていきました。

しかし、ロッセリーニ家の男子兄弟が全員ホモ・・・って・・・。

お家断絶がとっても心配!ロッセリーニよ!永遠に!!BL版「ホテリアー」なビジネスドラマ!
岩本薫の「ロッセリーニ3兄弟」シリーズもついに最終巻。

個人的に待望の次男エドゥアール編でした。

というのも、1「略奪者」2「守護者」の中で、最も存在感が謎めいていて、ミステリアスな存在だったのが次兄のエドゥであり、かつ現在人気急上昇中の声優・中村悠一氏の声担当キャラだったからです。

前2冊ではほとんど出番も台詞も無く、どういう性格の人物なのかイマイチ掴めないエドゥアールの人物像が、今回の新刊では、主人公受けの成宮礼人の視点にて克明に描かれています。

この「捕獲者」は、岩本女史いわく「初体験の美人×美人」というタイトル通り、二人の美形が主人公。

典型的白人エリートエドゥアール×日本美人の年上受け礼人。

最初「敬語受けの主人公…ハマれるかな…」と不安でした。

一番好きだったのが末っ子ルカ編(下僕×主人)でしたので。

けれど読み進めていくうちに、これはBLとしてではなく、純粋なビジネス小説としても充分楽しめる作品だと分かります。

むしろ恋愛色方面の描写よりも、一流老舗ホテル経営の内容が多いので、イチャイチャアマアマが好き、という方よりも、本格的なドラマ背景・大人同士の恋愛BLを求める読者さんにご推薦します。

受けの礼人は、とある事件がキッカケでエドゥと一夜の関係を持ったきり、10年すれ違いを続け、突然の再会に困惑しながらも、きちんとプロとして仕事をこなす若いのに一流のホテルマンだし、エドゥもまた、そんな彼を影からさりげなくフォローするスマートな青年実業家。

二人の大人な関係は観ていてもキリリとしたスタイルが美しく、気持ちが引き締まります。

最後の辺りで、二人がすれ違いについて一気にネタばらししてしまうのが残念。

もっと途中で細かく少しずつ説明出来なかったのかな、というのが正直な感想です。

…せっかく10年越しの勝手な片思いが終わったのに、ラブなシーンも少なかったので、もうちょっと、そんな甘いムードにも酔いたかったですね。

そこだけがモノ足らなかったかな。

それにしても、聡明な日本女性だった義母で末弟ルカの母親美佳の影響は、長男レオ&次男エドゥには絶対の恋愛観を植えさせたようです。

二人共に好きなタイプな「高潔で一見はかなげでも強い日本美人」(笑)シリーズ終了記念に、全プレドラマCD企画も連動。

ファンの方はぜひ!!ともあれ、「守護者」「捕獲者」共にドラマCDがまたまた心待ちです!!!捕獲者―ロッセリーニ家の息子岩本 薫

レスポートサック
コフレドール
posted by ダディ at 19:19 | 読書

不毛な男女関係の痛み軽いエッセ

不毛な男女関係の痛み
軽いエッセイのようなタイトルだが、内容は結構重い。

それぞれ性格の異なる三姉妹と、彼女たちの付き合う男性を中心に物語は進行する。

端的に言えばコミュニケーションの未熟さというか、男女関係の不毛さを克明に描き出した小説で、かなり痛い。

人物造型にはリアリティがあり、文章に勿体ぶったところもないので読みやすく、話に引き込まれる(難しい漢字にルビが振ってあれば、尚よかったが)。

何だかんだ言っても最後に割り切ってしまうところは、欧州的というより米国的。

この小説を読んで、男女関係についての見方が少し深まった気がする。

図書館で借りて読んで、よかったので自分で購入しました。


3姉妹それぞれ悩みはあるものの、そしてすこーし変わっているものの、自分はこれでいいのだと自信を持って生きているような気がします。

家風の「思いわずらうことなく愉しく生きよ」というのを実践しています。

長女はDVを受けていて、大変そうだけれどそれでも、3姉妹とも強い女の人だなという印象を受けます。

自分と言うものを持って、思うわずらうことなく愉しく生きる。

それがいいなぁーと思ったので、図書館で借りて全て読んでしまったけれども、自分で手元に持っておきたくて買いました。

人と違っていても自分が愉しく、いいと思ったことは貫きたいな、人生は一度きりなのだからと思えた一冊でした。

江国香織さん、作風が変わったかな?と思いましたがとってもよかったです。

土日で読めました
犬山家3姉妹のそれぞれの物語をパラレルに3様ならべて記していく物語。

タイトルの「思いわずらうことなく・・」は犬山家の家訓で、その発案の父親は浮気が原因で離婚で別居(離婚なんだから別居はあたりまえか)している。

説得力があるのかないのかちょっと苦笑いをしてしまった。

3姉妹はそれぞれ性格や考え方も違い、悩みも抱えてはいるが、自由な生き方をして楽しんでいるように私には読めた。

長女の夫とのDV被害の場面ではほんとうにこんなふうに恐怖の日常を送っている人がいるのだろうかと心が寒くなる。

(長女は後半やっと殻を破った感はあるが)長編ですが、話の展開もテンポよく次の展開を期待させるため時間を忘れて読めました。

別の江國さんの作品の「間宮兄弟」を読んでも感じるのだが、兄弟(姉妹)が仲がいい、うらやましくなるほどに。

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)江國 香織


RMK
マックスファクター
posted by ダディ at 21:00 | 読書

初・江国作品友人に借りて読んだ

初・江国作品
友人に借りて読んだ初・江国作品。

半日で読み終えた。

続きが気になって勢いよく読んだ反面、何日もかけてじっくり読む作品でなかったとも言える。

読後感はそんなによくない。

希望もなければ絶望もなく「世の中の夫婦って・・・こんなもん??」っていう思いだけが残る。

既婚か未婚で意見は分かれると思う。

「寂しい」っていう言葉は便利だ。

読むか迷ってる人は・・・別の本でもいいと思います。

中途半端
主人公の問題が何も解決しないで終ってしまう感じ。

感動もしないし、夢をくれるわけでもないし、読まなくても何の損もしない。

隣に居るのに寂しい
江国さんの作品が好きな人なら、絶対オススメの本しかし、不倫が生理的に受け付けない人は、読まない方が良いと思う。

一見幸せの理想のカップルだが、会話・セックスもなく、実は二人で居るのが落ち着かず、似ていると思ってた部分も、解釈が違うとから、言葉・気持ちが伝わない、もどかしさ、寂しさがしんみり伝わってくる。

作中では”飢餓”と表現されているが、なんとも切ない。

私は生活する中で、すっかり満足な人って少ないと思う。

十二分に揃った生活のなかでも、何が不満か判らないが、不安で寂しいという気持ちは誰しもが持っているものだと思う。

そんな気持ちを、素直に感じることの出来る作品だと思った。

一緒に生活して、どこに行っても、同じ所に帰るのが大事という言葉に、グッときた。

スイートリトルライズ (幻冬舎文庫)江國 香織


フェラガモ
フォリフォリ
posted by ダディ at 22:40 | 読書

買い、かな・・・。

渋谷系とかJ文学とかかまびすしく騒がれていましたし、このあとにこの人が書いたものと関連させて考えなければいけないかとも思いますが、「こういった世界もあるんだなぁ、ないかもしれないけど、小説だから」といった醒めた気持ちにさせられました。

個人的に苦手な話題で、体質的な問題だとは思いますが、あまり楽しめませんでした。

誤解を恐れずに言えば、映画のよい原作になるような(あるいはそれを見越して書かれているような)小説は、ひとつの作品としては本質的によい作品にはなりえないと考えているので。

インディヴィジュアル・インプレッション
著者の魅力が出ている。

J文学と呼ばれてはいるが、そういったことばでカテゴライズしたくない作品でもある。

手紙形式という、割と古い手法をちょっとひねって、最後の最後に実はそれが、スパイ養成塾のレポートであるというのは、なかなかよいと思った。

大小の伏線もあり、不可解な部分、倒錯する部分ありで、楽しめる。

この作品は、たぶん読む人によって受け取り方に非常に巾が出る作品。

阿部和重全開
日記形式で書かれた小説に限らず、誰かの視点でその小説が書かれている場合その視点や思考は主観に過ぎず、そこにおける客観性というものを読者は「他者の言動」のみからしか判断することができない。

では、その他者が真実を述べていなかったらどうなるのか。

自分を騙そうとしているとしたらどうなのか。

あるいは。

……。

膨大な伏線とほとんど解決されないまま終わるそれら(かなり集中して読んでいたせいで少し泣けた)、もしくは無数の解釈が可能なそれら。

そしてラスト。

読み終わった瞬間は消化不良な想いがじわじわと湧くけれど、東浩紀の解説によってその想い以上に驚嘆が広がる。

阿部和重が好きならオススメ。

自分が理解できていないのに言うのはなんだけど、芥川賞受賞作の「グランド・フィナーレ」よりはこちらの方を強く勧めます。

インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)阿部 和重

ロエベ
クラランス
posted by ダディ at 00:21 | 読書

妊娠中に。。。友人に薦められ、

妊娠中に読みました。

芥川賞受賞作品だとは知らず、小川さんの作品も『博士の愛した数学』くらいしか知らなかったのですが、純粋に楽しめたと思います。

淡々と綴られる日常の空気感は女性らしく柔らかで、それでいて、人のふとした冷たさを感じる冷静な作家さんだと思います。

妊娠中の姉も、同居する夫も妹も、人としてクールなところがありますが、中でも“妹”の存在がなんとなくおそろしかった。

肉親とはいえ同性である姉妹に平気に“毒盛り”をできる、それは妹という存在であるのかもしれないと、そう感じたのでした。

くつくつ、とジャムを煮込むさるきちも。


妊娠した姉のために くつくつ とグレープフルーツを煮込み ジャムを作っている、わたし。

姉はその鍋を抱えるようにして スプーンですくって食べ尽くす。

「アメリカ酸のグレープフルーツには 強力な毒薬が使われており 染色体をも破壊する」 ふと目にした広告。

その毒は胎児の染色体も破壊するのかしら だからわたしはせっせと 姉にグレープフルーツを食べさせる。

精神のバランスを欠いている姉と フツーであるようで やはり何かが損なわれている、わたし。

その二人を結びつけているのが 食べモノだ。

小川洋子氏の食べモノの表現は とてもグロテスクで 身体の内部を彷彿させる。

さるきちが口にしたものもね、 ぬめっとした腸や、 柔らかい皮が張った胃や、 きゅっと締まった卵巣といった、 臓器へと変容するのだなあ と、想像することができる。

さらに、 食べ物は 単に身体を形成するだけでなく、 精神にも深く寄与しているのだと、 考えさせられる。

摂食障害で 時に食べモノが敵となり、 食事が苦痛となっている さるきちにとっては、 彼女の作品て、 何かココロにひっかかるモノがあるのよね。

どうして破綻を期したのが 「食」なんだろう… ちょっぴりミステリアスな短編です。

本書には、他にも 「ドミトリイ」「給食室と雨のプール」が おさめられています。

すでに独自の作風を確立している
芥川賞受賞作となった「妊娠カレンダー」。

妊娠をきっかけに、刻一刻と変貌を遂げ、どんどん知らない人になっていく姉に戸惑う妹。

やがてアメリカ産グレープフルーツジャムを作り続けることにより、周囲を振り回し続ける姉に密かな抵抗の手段を見い出す。

「悪意」と言うよりは、ふとしたきっかけで、暗い考えにとらわれる、そのハードルのあっけなさみたいなものを書こうとしたのだろうか?「夕暮れの給食室と雨のプール」。

婚約者との同居生活が始まる前の、細々した生活の準備の様子を書いても書いても、見事に生活臭がしないところがさすが、小川洋子(笑)。

こういうノスタルジックな日常からファンタジーに迷いこんでしまう…というのも彼女の基軸の一つ。

「博士の?」や「ミーナ?」もこの路線かな?しかし、私は作者の真骨頂は「ドミトリイ」だと思う。

この頃すでに、短編集「海」の「バタフライ和文タイプ事務所」に匹敵する完成度のものを書いていることに驚かされた。

読んでほんわかしたいい気持ちになるのは、「博士?」や「ミーナ?」だろうけれど、ザ・小川洋子なのは「バタフライ和文タイプ事務所」や「ドミトリイ」のような作品だと思う。

妊娠カレンダー (文春文庫)小川 洋子


マスカラ
子供服
posted by ダディ at 02:02 | 読書